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雛人形

雛人形は何歳まで飾るべきか?現役雛人形職人の意見を話します!

毎年の恒例行事として飾っている雛人形、

「いつまで飾るべきなのだろう?」
「いつまでも飾っているのも逆によくないのかな?」

など、ふと思われるかもしれません。

そこで今回は雛人形は何歳まで飾るべきか(雛人形がいつ役目を終えるか)、また、役目を終えた雛人形はどうすればいいのかといった疑問に、創業約100年の老舗『人形工房 左京』の4代目跡継ぎである現役の雛人形職人が歴史的背景と現代ならではの事情とを踏まえながら解説していきます。

先に端的な結論を言ってしまうと「何歳まで」という絶対の正解はないので、「ご自身にとってのタイミング」を決めていただく上で参考になればと思います!

雛人形は「何歳まで」というより「独り立ち」するまで

雛人形の本来の意味は、生まれてきた子供の厄を引き受けてくれる身代わり・お守り。そして、そのお守りとしての役目を終えるのは子供が「独り立ち」するタイミングが自然です。

その候補となるイベントをいくつか挙げるので、参考にしてみてください!

結婚・嫁入りのタイミング

一昔前までは「独り立ち」といえば結婚でした。元々、雛人形自体も「皇室の結婚式」をモチーフに作られた人形。子供が健康で無事に成長し、幸せな結婚ができるように、と願いが込められています。

こういった背景から結婚=嫁入りのタイミングを実家からの独り立ちと捉えると、結婚を一つの区切りと考えることができます。

ただ、今の時代、結婚がゴール・結婚こそが幸せ、といった考え方だけではありません。

誤解してほしくないのは雛人形が結婚式をモチーフにしているのはそういった価値観の押しつけではないということ。あくまで雛人形が子供の健やかな成長と幸せな独り立ちを願うお守りであり、その一つの形として「結婚式」がモチーフになっているにすぎません。

結婚を機に実家を出る場合、そのタイミングで雛人形を飾るのをやめるのも自然な考え方です。

成人のタイミング

現代人の感覚でいうと「一人前の大人になる」イベントは結婚よりも成人式かもしれません。成人の年齢に達する、もしくは成人式を迎えるというのも一つのタイミングとして考えられます。

一昔前は環境的に成人を迎えることなく命を落としてしまう子供が多くいました。それもあって、雛人形が病気などの厄を引き受けてくれるお守りとして重宝されてきた歴史があります。

成人を迎えたタイミングで「子供のお守り」としての雛人形の役目が終わる、というのも一つの考えです。

余談ですが、民法改正により「成人」の法的な定義が18歳以上に変更されました(2022年4月1日~)。しかし、成人式は当面これまで通り20歳の世代を対象に実施されるようです。

法的に成人を迎える18歳の誕生日でも、これまでの慣例通りの20歳の誕生日でも、成人式の日でも絶対の正解はないので「区切りと思う『成人』のタイミング」を決めてもらえればと思います。

実家から出るタイミング

もう一つ、大きな節目になるのが「実家から出る」タイミングです。一昔前だと「実家を出る」≒「結婚」という風にも考えられましたが、現代では必ずしもそうではありません。

成人するのと実家を出るタイミングのどちらが早いかというのも、就職先や進学先などの事情によっても異なると思います。

例えば20歳になる前に進学・就職で実家を出るにしても、それも立派な独り立ちの一つです。そのタイミングで「守られる立場」ではなくなるという意味で雛人形に守ってもらう必要もなくなるとも考えることができます。

要するに「もう一安心!」と思ったタイミング

多くの方が考えるであろうタイミングを3つ紹介しましたが、「絶対にこれが正解!」というものがないのはもちろんのこと「この中のどれかから選ばなければならない!」というわけでもありません。

もっと早い段階でご家族の中で「もう大丈夫だね。」と思うようなタイミングが来るのであれば、それがご家庭にとって雛人形を飾るのをやめるタイミングです。

例えば中学生になって、親子共にもう立派に成長したんだな、と考えるのであればそれも一つの節目です。厳密な意味では自立していなくても、家族の中で「無事、健康に成長できた」と思えば、そのご家庭での雛人形の役割は終えたと言えます。

もしかすると「いつまで飾ればいいんだろう?」と疑問を持たれたタイミングこそが節目かもしれません。

役目を終えた雛人形はどうする?実家に飾る、処分など

雛人形を何歳まで飾るのか、という疑問の次には「その後どうするのか」を考えなくてはいけません。

役目を終えた雛人形をどうすればいいのかについて、よくある選択肢やそれぞれに対する雛人形職人としての意見を紹介します。

処分する

役目を終えた雛人形は処分してしまって問題ありません。

「処分すると罰が当たりそう」
「捨て方を間違えると呪われるんじゃないか」

と思われる方もいらっしゃるようですが、そもそも雛人形はお守りとしての意味合いの強い人形であり、呪いなどはありません。

あえていうならば、「呪い」の正体は後ろめたさの残る方法で処分したことによる雛人形そのものや、雛人形を贈ってくれた相手に対する「負い目」

なので、人形や贈ってくれた人への感謝の気持ちを込めて、悔いの残らない形で処分すれば問題ありません。

特に「しっかりとお別れを告げられた!」と思っていただきやすいのは神社やお寺などで供養に出したり、供養代行サービスを利用するケースです。

しかし、必ずそうしなければならないわけではなく、ご家庭で普通の家庭ゴミとして出しても問題はありません。

少し気が引けるのであれば、お別れの前にお塩を振りかけたり、感謝の想いを込めて手を合わせたりすることで気持ちに整理をつけるのもいいでしょう。

雛人形の処分について、詳しいことはこちらの記事にも書いています!

実家に残す、実家に飾り続ける

雛人形を「何歳まで飾るべきか」に絶対の答えがないのは説明した通りです。逆に言えば「いつまでも飾っておく」という選択もアリです。

子供が「独り立ち」した時点で雛人形の「お守りとしての役目」は終わります。しかし、お守りとしての役目を終えた雛人形は必ず処分しなければならないわけではなく、特に人形への思い入れが強い場合はその後インテリアとして飾り続けるのも良いでしょう。

特にご両親が気に入っている場合や、「実家を出た後も取っておきたいけれど、新しい家には置くスペースがない」という場合は実家で取っておいて、インテリアや思い出の品として毎年飾り続ける方もいらっしゃいます。

子供が持っていく、嫁入り道具にする

雛人形気に入っていて「ずっとそばに飾っていたい!」という場合独り立ち、とりわけ結婚の際に持っていくということも考えられます。

ただ、説明している通り雛人形は本来の意味からすると結婚などを機に本来の役目は終えているため、必ず持っていかなければならないということはありません。

また、気に入っているからと将来生まれてくる子供への「お下がり」にしようと思われる方もいらっしゃるかもしれません。雛人形のお下がりに関する是非は、考え方によるところも大きいのでこちらの記事も参照してみてください!

まとめ

雛人形を何歳まで飾るのか、また、その役目を終えた人形はどうするのかについて、いくつかの選択肢を提示しながら説明してきました。雛人形は子供の「自立のタイミング」でお守りとしての役目を終えます。そして、その後の人形を処分するのか、それともインテリア・思い出として飾り続けるのかは考え方次第です。

まとめると、飾る時期にせよ、その後どうするにせよ「こうしなければならない!」というものはありません。

ぜひ、今回説明した内容も参考にしながらどうされるのがご自身にとって最適なのか考えてみてください!

株式会社左京 / 四代目
Writer - 望月 琢矢
静岡の雛人形工房(株式会社左京)の4代目。1991年生まれ。静岡県静岡市出身。東京の大学在学中に留学・海外一人旅などを通じて外国から見た自分・日本を考えるようになる。大学卒業後2年間、東京の上場企業にて会社員を経て2016年から家業である株式会社左京に入社し雛人形制作に携わる。海外経験のある若者代表として、これからの雛文化・伝統文化について考え、試行錯誤の日々。日本の伝統文化が世界から評価されれば日本人は覚醒する!と信じ、静岡発の世界ブランドを作ることを目指しています。 ★Instagram フォロワー13,000人超
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