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五月人形

後悔のない正しい五月人形の処分方法とタイミング!現役の専門家が徹底解説

物心ついた時から大切に飾られていた五月人形。

  • いつまで飾ればよいのか
  • 飾らなくなった五月人形はどう処分すればよいのか
  • そもそも処分してよいのか(バチがあたらないか)

大人になるにつれて人形との「お別れ」について考えることもあると思います。

そこで今回は五月人形の処分について、どういったタイミングが最適なのか、どういった処分方法があるのか、また「処分しないでずっと持っておく」という選択肢はあるのか、創業約100年の老舗『人形工房 左京』の4代目跡継ぎが解説していきます。

結論としては絶対の正解・不正解はないので、ご自身なりに納得の行く決定をしていただければ問題ありません。判断基準となるポイントも解説していますので、ぜひご一読ください!

動画でも解説していますので文章を読むのが面倒な方はこちらをご覧ください。
※1.5~2倍速での閲覧がオススメです!

五月人形は「役目を終えたら」処分して構わない

五月人形を処分するタイミングというのは決まりごとや慣習として何らかの正解があるわけではありません。「ご家庭の中での役割を終えた」時点で処分すれば良いのです。

五月人形は子供の無病息災を祈り、代わりに厄を引き受けてくれる「お守り」。無事に子供が成長し、「自立した」と感じられたら、人形はその役目を終えたと言えるでしょう。

この「自立した」ことの基準はご家庭の考え方によって様々です。

  • 成人したとき
  • 就職したとき
  • 実家を出て独り立ちするとき
  • 節目に関係なく「もう子供じゃないな」と思ったとき

本人やご両親が納得するタイミングで自然と人形とお別れができれば良いのです。

「いつまで飾ればいいんだろう」と考え始めた時というのも一つのタイミングかもしれませんね。

五月人形の処分方法5選!納得の行く方法でお別れを

五月人形を処分するタイミングに正解がないのと同様、処分の方法にも「こうしなければならない」といった正解はありません。納得の行く方法でお別れできればそれが正解です。

一般的な処分方法を5つ紹介するので、どのような形がご自身にとって納得がいくか参考にしてみてください。

①神社・寺院に持ち込んで供養

最も手厚い方法はご自身で神社・寺院に人形を持ち込み、供養してもらうこと。お焚き上げ・読経といった形を取って人形とお別れすることで、清々しい表情をされて帰られる方も多いです。

五月人形に限らず、ぬいぐるみなどを含めた「人形の供養」に対応している神社・寺院は探してみると意外と見つかるため、ぜひお近くでも探してみてください。

②供養代行サービス(日本人形協会)

ご自身で神社・寺院に人形を持ち込む時間がない場合、近くに人形の供養に対応できる神社・寺院がない場合、日本人形協会が提供している供養代行サービスを利用する選択肢もあります。

人形を自宅まで回収に来てくれて、その後も責任を持って供養・処分してくれるので、便利かつ心残りもなく人形とお別れできる可能性が高いと言えるでしょう。

手離れ良く、丁寧に人形が供養されるので「どうしても自分の手で供養したい」というこだわりがなければ総合的にバランスの良い選択肢と言えるかもしれません。

■供養代行サービス(日本人形協会)はこちらから

③感謝の気持ちを込めて自宅で処分

神社・寺院で供養までするのは少しオーバーだと思われる場合や、そこまでの手間はかけられない場合など、自宅から家庭ゴミとして処分しても問題はありません

もし、他のゴミと全く同じ扱いで捨てることに抵抗がある場合、ちょっとしたアクションだけで気持ちに整理がつけやすくなります。

  • 感謝の気持ちを込めて手を合わせる
  • お塩を振りかけて清める

五月人形には金属など不燃物も多く含まれるため、ゴミの区分に関しては自治体の取り決めに従って注意して対応するようにしましょう。

④お下がりにする【厄払いしてからがオススメ】

「自分には不要になっても、ずっと大切にしていた人形を捨てたくはない」

という想いから、お下がりとしてご自身のお子様や親戚、ご近所の仲のいい子供などにプレゼントすることも考えられるかもしれません。

これは「子供の成長を見守り、代わりに厄を引き受けてくれる」という五月人形本来の役目を考えると、少し気になるところです。

とはいえ「どうしても譲ってほしい」「どうしても譲りたい」場合には、五月人形の役割・文化を十分に理解し、双方了承の上で受け渡しをするようにしましょう。

その際、できれば行ってほしいのが、受け渡し前に神社や寺院などで人形の「厄払い」をすること。お下がりの五月人形はお守りとして引き受けた厄が残っている状態です。そのまま譲るのはお互いに気分の良いものではないので、一度人形についた厄を払ってから受け渡すのがおすすめです。

詳しくはこちらの記事にて解説しています。ぜひご一読ください。
『五月人形のお下がりNG論争に専門家が真正面から回答!』

⑤リサイクルショップ・フリマサイトで販売【オススメできない】

不用品を処分し、状態によってはお金を得られる可能性もあるのが、リサイクルショップなどへの売却。最近ではオークションサイト、フリマサイトなどで個人で気軽に出品もできますね。

しかしそもそも、五月人形は元々ご家族やご親戚から贈られてきたお祝いの品であることも多いと思います。そういった想いの詰まった贈り物を不用品としてお金に換えるのは道徳的な観点からもあまりオススメできません

そういった心理もあるのか、中古品市場での五月人形の取引はあまり活発ではなく、購入価格に対して期待するようなお金を得られないのが現状です。

また、上で説明した通り役目を終えた五月人形は人の厄を代わりに引き受けてくれている状態のもの。その状態のまま赤の他人に販売するというのは売る側としても気持ちよく手放せるものではありません。どうしても販売したい場合はやはり厄払いを行ってからの方が良いでしょう。

 

五月人形に「呪い」や「祟り」は存在しない!本人の心の持ちようが大切

余談ですが、五月人形の変な捨て方・処分の仕方により「呪われる」「祟られる」といった事はありません。

「呪い」や「祟り」があるとすれば、それは人形の取り扱いや処分に関して後ろめたさや心残りがある場合。人形に対する、またお祝いをしてプレゼントしてくれた親族などに対する感情が「呪い」や「祟り」として自分の前に表れると言えるかもしれません。

「こういった方法で処分してはいけない」といったことはありませんが、後ろめたさが残るようであればその方法は取るべきではない、ということですね。

五月人形は処分せずにインテリアとして飾り続けてもOK

役目を終えた五月人形をどうしても手放したくない場合や、デザインがとても気に入っていてずっと飾り続けたい、といった場合もあるでしょう。

五月人形を処分する時期や方法に正解がないのと同様「ずっと飾り続ける」というのも一つです。

最近は伝統工芸品としての価値の高いもの・デザイン性を重視したおしゃれな人形や、伝統とモダンを見事に融合させた人形など、幅広いレパートリーが楽しめてインテリアとしても重宝します。

お守りとしての役割を終えた五月人形をインテリアとして飾り続ける、というのも人形の楽しみ方です。

まとめ

五月人形を処分するタイミングや方法について「この時期にこうしなければならない」といった決まりはありません

これまで守ってくれた人形や、人形をプレゼントしてくれた家族・親族に感謝しながら、後悔なくお別れできる時期、方法を選択していただくのが一番です。

必ずしも処分する必要もなくインテリアとして飾っておくというのも一つの方法なので、そうったことも含めて最も納得の行く方法を選んでいただければと思います!

五月人形の処分について迷われている場合やその他専門家に聞いてみたいことがあれば、公式LINEからお気軽にご連絡ください!

株式会社左京 / 四代目
Writer - 望月 琢矢
静岡の雛人形工房(株式会社左京)の4代目。1991年生まれ。静岡県静岡市出身。東京の大学在学中に留学・海外一人旅などを通じて外国から見た自分・日本を考えるようになる。大学卒業後2年間、東京の上場企業にて会社員を経て2016年から家業である株式会社左京に入社し雛人形制作に携わる。海外経験のある若者代表として、これからの雛文化・伝統文化について考え、試行錯誤の日々。日本の伝統文化が世界から評価されれば日本人は覚醒する!と信じ、静岡発の世界ブランドを作ることを目指しています。 ★Instagram フォロワー18,000人超
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