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ひな祭り

雛人形職人が教える!雛人形を綺麗に保つ収納のコツ

毎年のひな祭りイベントにつきものなのが、雛人形の準備と片付け。「準備しているときは楽しいけど、片付けは正直面倒、、!」なんてことを思ったりするかもしれません。

正直お気持ちはわかりますw

が、この雛人形の片付けや収納をしっかりと行うことが、雛人形を綺麗に長く保つ最大のポイントです。

そこで今回は、創業約100年、『人形工房 左京』の4代目跡継ぎの現役職人が雛人形を大切にするための片付けや収納のポイントについて徹底解説します!

雛人形の収納に適した場所は?

雛人形の収納に適した場所の条件はズバリ

・風通しが良く、湿気が少ない
・寒暖差が少ない
・虫が入りにくい
・直射日光が当たらない

といった条件を満たす場所です!

要は、湿気によるカビや寒暖差によるひび割れ・劣化、虫食い被害や、日焼けなど、一般的に荷物を収納しておくのに気を付けるべきポイントを押さえておけばOKです。

雛人形は天然素材が多く含まれる手作り品なので、特に保管に注意が必要です。そんな伝統工芸・文化品との付き合い方を学べるのも雛人形の味わいどころです!

おすすめの保管場所はタンスの上段やクローゼットの上、戸建ての一軒家などであれば屋根裏部屋やロフト部分などです。

とはいえ、そもそも日本が高温多湿なこともあり、屋内に理想の条件がそろった保管場所がないことも。そういった場合は、「虫干し」を行うことで、人形を更に良い状態に保つことができます。

造りの頑丈なマンションなどの集合住宅は部屋の密閉性が高いため、この「虫干し」は特に有効です。

また、最近はトランクルームのようなレンタル収納スペースのサービスも流行っていますが、しっかりとした保管場所を提供している業者であればそういった選択肢もアリです。

雛人形の収納のためだけにレンタル収納スペースを使う、というのも少しもったいない気はしますが、もし他の荷物も含めてのご利用であれば自宅の収納スペースもとらないのでおススメです!

職人直伝!雛人形を綺麗な状態に保つ収納の仕方

雛人形を綺麗に保管し、来年も綺麗に飾るための片付けや保管といった収納のコツを現役の職人が徹底解説します。

雛人形を綺麗に保管するための基本ポイント

飾り方によっても若干の差がありますので、雛人形の片付け全般で注意すべきポイントをざっと説明し、飾り方の種類別の注意点はそれぞれに解説します。

①雛人形の片付けは3月3日以降、晴れた湿気の少ない日に行います。「雛人形の片付けが遅れると嫁入りが遅れる」なんてジンクスがありますが、無理に湿気の多い日に片付けを行うのはカビやシミの原因にもなります。ご予定や天候と相談しながら片付ける日を決めましょう。

②雛人形の片付けの際は必ず洗剤で手を洗ってよく乾かしてから。シミの原因となるため、雛人形のお顔だけは素手で直接触らないようにしましょう

③ケースに入っていない雛人形は飾っている間、埃などが付着しています。そのまましまうと劣化の原因になりかねないため、毛バタキなどを使って綺麗に埃を取ります。人形の持ち道具などを取り外せる場合は取り外して中まで掃除しましょう。

④人形の顔や手を白くやわらかい紙(ティッシュや和紙など)、もしくは保管用の袋で包みます。この時、強く包みすぎると髪の型崩れにつながるので、そっと包み込むようにしてください。

⑤人形を箱に入れ、間に詰め紙を敷きます。防虫剤を入れ、蓋をします。

⑥道具や飾りは必要に応じて袋に入れるか紙に包み、人形とは別の箱で保管するのが最適です。

⑦条件を満たす保管場所を確保できない場合、湿気を防ぐために年に1度「虫干し」をすると間違いありません。9月か10月の湿気の少ない日に人形と道具を箱から出し、6時間程度空気に触れさせてから箱に戻すことで、カビ対策になります。このとき、箱の中の空気も入れ替えるようにフタを空けて空気循環をさせるようにしましょう。

雛人形の片付けについてはこちらの記事でも詳しくまとめています!

雛人形の片付けの際は手袋をつけなくても良い?

片付けの手順の中で、「洗剤で良く洗った手を乾かす」「人形の顔だけは素手で触らない」といったポイントを解説しました。

「え?そもそも雛人形の片付けの時は手袋をするんじゃないの?」

と思われた方もいらっしゃるかもしれません。確かに、手袋をつけることを奨励していることは多いのですが、実は職人の本音としては雛人形の出し入れは手袋なしで行ってほしいと思っています。

なぜなら、雛人形は最も身近な伝統工芸品の一つ。人形の着物の生地感や手作りの味に直接触れて楽しんでいただけることも、雛人形の醍醐味です。

また、触ると時に手袋をつけるというのはお子様に対して「雛人形は触ってはいけないもの!」という暗黙のメッセージを伝えることにもなってしまいます。

我々雛人形職人も手の汚れには十分注意した上で、実際に作るときはもちろん素手です。生地の厚みや素材感を素手の感覚で把握しながら微調整をしています。

ぜひ、手袋をするのではなく手を綺麗にしてから直接触る形で、雛人形に触れる楽しみをお子様とも共有してみてください。

ケース飾りの収納のポイント

ケース飾りは雛人形のお飾り一式がガラスやアクリルのケースで守られた状態の雛人形セットです。

収納の観点からのケース飾りのメリットは、なんといっても出し入れの手間がかからないこと。各アイテムを手入れした後、紙にくるんで箱にしまって…といった作業が必要なく、ケースごと箱にしまえばよいので、とにかく出し入れが楽です。

デメリットとしては収納にかなりのスペースを取ります。ケースごと収納する形になるため、収納に無駄な部分が多いです。それから、専用のケースはほとんど特注サイズで制作されているため、万が一割れてしまった場合は修理代が高額になったり、そもそも修理ができないこともあります。

また、デメリットではないのですがご注意いただきたいのが「ケースに守られているから」と、油断すると雛人形のケアや防虫・防カビの対策を怠りがち。片付けの際に、ケースの中もメンテナンスしましょう。

収納飾りの収納のポイント

収納飾りは、雛段の中が空洞で、シーズン以外は雛人形や飾り道具を収納しておける箱も兼ねている雛人形のセットです。

雛人形をしまうための収納箱や収納スペースを用意する必要がない、という意味では合理的な選択とも言えますね。

一方で、実はこの「飾り段兼収納箱」そのものを収納するスペースに困る、という根本的な課題があります。また、ほとんどが木製で、サイズによっては大変な重量になるため、出し・しまいが一層大変な力仕事になってしまいます。さらにケース飾りの場合と同様、空気を収納してしまう分スペースがかさばります。

また、人形職人目線では、この飾り段兼収納箱は1つの家具を購入するのに近く、意外とコストがかかってしまいます。雛人形を飾る机や家具が無い、という方にはおすすめです。

平飾りの収納のポイント

平飾りは高さのある段ではなく、平たい飾り台の上に人形を飾るスタイルです。男女ペアの「親王飾り」が主流ですが、中には平飾りの台に三人官女や五人囃子を配置していくような多人数スタイルの平飾りもあります。

シンプルですが、それだけに独自性を出しやすく、実は選択の幅がもの凄く広いです。

収納面では、何よりも収納スペースを取らないことが平飾りのメリットです。特にアパートやマンションにお住いの場合は置き場所・収納場所がネックになることが多く、平飾りが喜ばれます。

もちろん、収納時の人形のケアは丁寧に行う必要があります。

平飾りの中でも「毛せん飾り」は特に省スペースで万能!

平飾りの種類の一つとして「毛せん飾り」があります。

毛せんは様々な色の絨毯のようなもの。木製の飾り台と違って布製で超軽量なのが大きな特徴です。収納時には折りたたむか絨毯と同じようにくるくると巻いて保管することができるため、場所を取りません。また、飾るときには前に垂らしたり、後ろを巻くことでお飾りスペースを自由に調整することができます。

つまり、飾る時・収納する時いずれの場合にも置き場所に困らない造りと言えます。左京では最も人気のある商品の一つです。

雛人形を収納する箱は?桐箱が理想だけれど段ボールなどもOK

「やっぱり収納する箱は桐箱がいいですか?」など、ご質問いただくことが多いので雛人形や道具を収納する「箱」についても説明します。

結論としては、段ボールや紙の化粧箱などでも全く問題はありません。どんな箱に入れて保管するかよりも、これまで解説したポイントを守った片付け・収納の方が大切です。

桐は、湿度に合わせて呼吸をする素材で、多湿・乾燥のどちらの環境でも効果を発揮します。その上、衝撃吸収・防カビ・耐火など、機能面において優れているため、保存用の箱としては理想的ではあります。ただ、安いものではないため、特に段飾りで多くの人形や道具を収納する場合、すべてを桐箱に収納するのは難しいかもしれません。

当社では、お殿様・お姫様のおふたりを収納する箱を桐箱に変更することができます。保存用の箱としての機能面はもちろんのこと、特別な贈りものは桐箱に入れて大切にしたい、という気持ちとしてのメリットも大きいです。

それでもやはり、「桐箱でなければ保管上問題がある!」というわけではないので、お気持ちと保管のプラスアルファとして考えていただければと思います。

まとめ

雛人形の収納について、片付けの手順から収納の場所、方法まで一通りの解説を行いました。片付ける日の条件・手順・保管場所・方法、と少し内容が多く大変に感じるかもしれません。

しかし、一つ一つの手順をきっちりと行うことで、雛人形をずっと綺麗な状態で保っていただくことができます。何よりも、そうした雛人形のメンテナンスを通じて「工芸品・手作り品との付き合い方」「ものを大切に扱うこと」をお子様と一緒に学び実践していく工程そのものに、雛人形の効能があります。

せっかくのお祝いの品です。ぜひ最後まで大切に想っていただけるよう、心を込めて人形をケアして、そして贈り主さまを想ってあげてください。

また、どうしても避けて通れない収納スペースの確保問題については、ご購入前の段階から収納しやすさも考えてお選びいただくことも一つのポイントですね。

株式会社左京 / 四代目
Writer - 望月 琢矢
静岡の雛人形工房(株式会社左京)の4代目。1991年生まれ。静岡県静岡市出身。東京の大学在学中に留学・海外一人旅などを通じて外国から見た自分・日本を考えるようになる。大学卒業後2年間、東京の上場企業にて会社員を経て2016年から家業である株式会社左京に入社し雛人形制作に携わる。海外経験のある若者代表として、これからの雛文化・伝統文化について考え、試行錯誤の日々。日本の伝統文化が世界から評価されれば日本人は覚醒する!と信じ、静岡発の世界ブランドを作ることを目指しています。 ★Instagram フォロワー13,000人超
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