雛人形職人の望月琢矢です。
今日は、世間一般の職人に対するイメージについて
言いたいことがあります!
メディアを始めとする一般的な職人イメージの描写が雑!
全てがそうではないですが、メディアで職人が取り上げられているのを見ると思うこと。
私自身も取材して頂く際に感じることです。
雑ですよね。
「一切の妥協を許さぬ」
「長年受け継がれてきた匠の技」
「こだわり」
想像ですけど、こうやって言われてる職人は、自分が取材されたテレビみながら、クスクス笑ってますよ。
本音で答えます。
「一切の妥協を許さぬ」
→限られた資源と時間でものは作ります。必要な妥協はします。
趣味じゃないので泣く泣く諦めることもあれば、あっさり捨て去るこだわりもあります。
「長年受け継がれてきた匠の技」
→技術は常に進化してますので過去の技術に関して、いらないよね、といって簡単に捨て去ることもあります。
効率を求めれば本当は全部をロボットがやっても良いと思っています。
全く同じものが、今のところ機械ではできないから手でやってる。それだけです。
それと、「匠」っていう言葉があまりに曖昧に使われ過ぎてます。
もう一度、何を以って、どういう特別感で「匠」という言葉をチョイスしているのかを問いたい。
「こだわり」
→「こだわりって言っておけば仕事を頑張ってる感が出せる」感が拭えない。
こだわりは、こだわりへの想いと理由と効果がセットで初めて納得のいく、価値のある仕事観となる!
こんな感じで、当の本人は結構ツッコミどころ満載で笑ってたりします。
特に、普段はTシャツ短パンで作業してたりするのに、
作務衣なんか着て、難しい顔してがっつり職人演出してるのを見ると
「寒っっ!!」って思います。
↑作務衣(さむえ)という、イメージの職人がよく着てる作業着。
職人と作家の違い
ドキュメンタリーでも取り上げられる一流レベルの作り手のほとんどは、
作家であって、職人ではない。
ケースが多いんじゃないかと。
作家は、
作品で自分の個性を表現する。
自分自身が商品であり、その作品は、「その作家が作った」ということ自体に価値がある。
職人は、
モノを一定の品質で、ブレ無く、できるだけ早く、たくさん作ることができる。
一切の妥協を許さずにものづくりができるのは作家ですね。
こだわりをこだわり抜けるのも作家です。
でも職人は、発注者のこだわりに忠実であることならできる。
そして日頃からとにかく数をこなしている。
その数をこなす中でスピードと正確さを身につけている。
こんな感じでしょうか。
職人なんて大した職業じゃない
メディアとか、一般的に思われているほど、大した職業ではないです。
むしろ、根本的にひねくれているぼくは、
「匠とか言っとけばいいと思って、
どうせ職人なんてただの作業員だって思ってんだろ?」
って感じてます。
それだけ賞賛されるなら、もっと億万長者の職人がいてもいいはず。
職人を極めて有名人になる人がいてもいいはず。
でもそうじゃないのが事実。
ということで、次回、
じゃあこれからぼくはどうすればいいのか。
ここからが一番重要なところを
熱弁しようと思います。