雛人形を片付けるのに最適な日とその理由を徹底解説【2025年最新版】

「雛人形を片付けないとお嫁にいけなくなる」
雛人形といえば誰もが知るいわれとして有名です。一種の都市伝説だろうと思えど、我が子の将来に関わるとなると一応気にしておきたい雛人形の片付けの日。
今回は雛人形を出す日と片付けの日について解説しながらこんな素朴な疑問にお答えしていきます。
雛人形は「いつ飾るのが正しい」という決まりごとはありません。
毎年3月3日が桃の節句、ひな祭り。大まかな目安として正月から3月3日までの間で飾り始めれば問題はありません。
特に節目としておすすめなのが2月4日の立春。2月3日の節分を終えてひな祭りに向けての季節感を楽しむことができます。
日柄に関しても、決まりごとはありません。
お祝い事は日柄のいい日、大安・友引に飾るのが一般的ですが、日柄の悪い仏滅に雛人形を出すのがタブーであるわけではありません。
もともと、雛人形は「厄を取るお守り」というのがお役目なので、むしろ日柄の悪い日や厄日にこそお守りとしての力を発揮する、という考え方もあります。
一説には、中国の陰陽説から。一年で一番の厄日である3月3日に、厄を取るための行事として行われていた風習が現代のひな祭りにつながったといわれています。
日柄などの形式よりも、我が子の無事と健康な成長を願って雛人形を丁寧に出す・飾る、といった気持ちが大切です。
3月3日が終わると「なるべく早くしまわなきゃ」と大慌てする方が多いですが、必ず3月4日に片付けなければいけないことはありません。慌てて3月3日の夜しまうという方もいますが、そんなに極端に考えなくても大丈夫です。
3月3日を過ぎたら日付や日柄にとらわれず、天気のよい湿度の低い日を選んで雛人形をしまいましょう。
これはただの俗説であり、あまり気にする必要はありません。
「早くしまわないとならない」のは、季節の飾りものをダラダラといつまでも飾っていてはいけません、という教え。「夜に口笛を吹くとヘビが出る」というものと同じ感覚ですね。
しかし、まったくのデタラメかといえばそうでもありません。 「おじいちゃん・おばあちゃん・両親やその他たくさんの親戚に祝われて頂いた雛人形を粗末に扱い、放置するような人は誰にも選ばれませんよ(結婚できませんよ)」
という意外にも本質をついた教えでもあるのです。
娘を嫁にいかせることが親の義務であり願望であった時代こその考え方ですが、当時の「結婚」が「自立」と同じであったことを考えると、現代にも通じることが言えます。
旧暦は一月遅れ。2025年の旧暦カレンダーによると、ひな祭り(3/3)は4月19日です。 とは言えキリよく丸1月遅れの4月3日を節目に考えても良いと思います。 地域によっては旧暦で節句行事を行うため一月遅れで雛人形を出し・しまいをします。
新暦の立春、2月4日頃に雛人形を出して、旧暦のひな祭り、4月3日まで飾り、4月4日以降にしまう、というのもおすすめです。購入した雛人形をより長く楽しむことができます。 今年の旧暦のひな祭りは4月19日ですので、更にもう1月弱飾り楽しんでもよいですね。
新暦・旧暦についての考え方は地域性やご家庭の考え方を優先するのが良いです。特に地域や家庭に決まりがなければ、ぜひ新暦と旧暦を織り交ぜて考えてみてくださいね。
それでも忙しい中、雛人形の片付けは時間が取れず遅れてしまいがち。 片付けが遅れてしまったらどうすればよいかをご紹介します。
形式的なルールは参考までに、あまり重視しなくても大丈夫。雛人形の本質はお子様の誕生を祝った身内からの贈りものであること。この贈りものに対する取扱いは、人の気持ちの取り扱いにも繋がります。
数日間つい忙しくて放置してしまったら、お雛様に「ごめんね」と「ありがとう」の気持ちを持ってちゃんと片付けることができれば、変な罪悪感を抱く必要はありませんし、お子様の婚期が遅れるような強制的な罰ゲームや呪いもありません。
雛人形の片付けは、普段あまり触れることのない伝統工芸品・伝統文化に触れることのできる貴重な瞬間です。特別感のある素材、職人の手作りの風合いを肌で感じながら、隅々まで作りの細かさを発見する時間にしてみましょう。
お子様が物心付く年齢になったら触り方・片付け方を教えながら、家族で片付けを楽しむ、という経験もお子様にとっては一生の想い出となります。
一晩で全ての片付けをしなくても大丈夫。今日はお屏風・明日はお人形、など数日に分けてゆっくり片付けるのも、また楽しみ方の一つですね。
こんな裏技が広く知れ渡って、実践されている方も多いようですが、これは根拠も中身もない嘘です。おそらく「雛人形を早く片付けないとお嫁にいけなくなる」ということから逃れるために誰かが作った抜け道のようなものでしょう。
専門家から言わせると、雛人形を後ろ向きに置いて放置することのほうがよほど縁起の悪い慣習に思えます。
雛人形を片付けるときに気をつけたほうが良いこと・コツ・基本的なことをまとめてみました。
以上のことに気をつけながら片付けをしてみてください。
雛人形を片付けるときに特に気をつけたいのが、湿気です。
雛人形のお顔や着物などに出るシミ・汚れの多くは湿気が原因で発生するもの。片付けのときに湿気を一緒に箱の中にしまい込んで、1年かけて箱の中でシミとなってしまいます。
雛人形の片付けで気にすべきは、日柄よりも片付けが遅れてしまうことよりも、湿気を取り込まないように天気のいいカラッと晴れた日を選ぶことです。
湿気の多い日に片付けるのは良くないけど、片付けがどんどん遅くなってしまう、というお困りごとの相談が多く寄せられます。
湿気が多い日・雨の降ってる日には雛人形の片付けはやめて延期にしましょう。
雛人形を楽しむ時間が増えたと捉え、天気が良い片付けの日を改めて設けるのが良いですね。
「贈りものである雛人形を大事に扱うことは、贈り主や自分を大事に思ってくれる人を大事に思いやるということ」
という雛人形を通して大事にされてきた教えをしっかりと捉えて、雛人形の出し・しまいを楽しみましょう。
ただし、一番大事なのは雛人形の出し・しまいをする当の本人が子供と一緒に雛人形の取り扱い、そしてひな祭りを楽しめること。ルールや慣習に縛られるのではなく、文化から学び楽しむ、という経験と家族の想い出が一番の贈りものとなります。